ロルフィングという言葉をインターネットで検索すると、『ロルフィング 効果がない』という検索ワードが出てきます。

そのような意見をブログにしている方もいて、ついつい読んでしまいます。

個人的にも、ロルフィングで全てが解決するとは思っていませんが、ロルフィング10シリーズを終えると心身共に良い変化があることを経験しています。

ですが、この『ロルフィングは効果が無い』ということも貴重なご意見だと思います。

ロルフィングを受けられるきっかけやご希望は様々なので、ロルフィングでは達成できなかったのかもしれません。

もしかしたらまだ変化している途中かもしれません。

セッションをするロルファーの技量も十分でなかったのかもしれません。

ロルフィングの10回シリーズは2~3か月かけて10回を受けて頂くので進めて行くには決心がいる事だと思います。

せっかくロルフィングの10回のセッションを受けて頂いたのに、このようなご感想があるのは残念です。
このようなご意見をもらうのは何故か?どのようにしていけば良いのか?
個人的に考えてみました。

目標を共有する

ロルフィングを受けて下さる方には、ホームページなどで調べてコンセプトを理解して受けて下さる方も多く、
「からだを根本的に見直したい」というご希望で始められる方は多いです。

しかし心身の不調で本当に困っていることがあってロルフィングにたどり着いて下さる方も多くいらっしゃいます。
ロルフィングのご感想で、

  • どこでも治らなかった痛みが治った
  • 気持ちの面でも大きな変化があった
  • 姿勢がとても良くなった
  • アレルギーが良くなった
    (体質が改善した)

などが多くのサイトの感想として書かれています。
これを読んで同じような改善を期待してセッションを始められる方も多くいらっしゃいます。
この期待した効果が得られずに「ロルフィングは効果が無い」というご意見もあるのかと思います。

確かにこれらのご感想はどれもロルフィングで期待できる効果ですが、どのような方にも同じことが起きる訳ではありません。
全身の筋膜が整うことで、カラダの内側・外側のバランスがとれた時に、人それぞれに違った効果・変化が得られます。

それぞれのご希望を持ってロルフィングセッションを始められると思います。
そして10シリーズを終えてもそれが得られないということは効果が無いという事になります。
このようにロルフィング10シリーズで期待した効果が得られなかったという事は事実なのだと思います。

問題はロルフィングの効果・変化についてよりも、ロルファーが最初のご希望をお聞きする時に、クライアントから十分にお話を聞いていない事にあると思います。

クライアントのご希望について、良く話をお聞きしてロルフィングのセッションでそれが変わり得ることなのかをロルファーが考えているか?

ロルフィングで得られる可能性があることが、クライアントのご希望やお悩みの改善に役に立ちそうか、クライアントに提示できるか?

ロルファーは説明・提示して、クライアントには意思決定をしてもらっているか?

もしかしたら達成できることではないことを共通の目標としていないか?曖昧にしていないか?

クライアントとロルファーが良く話し、10シリーズを始める事を決めて頂くことからセッションは始まっています。
セッションを進めて行く中でも、クライアントの変化していく経過をみていきます。
もし必要であれば医療機関をでの検査を薦めたり、他の職種への橋渡しが必要な事もあるかもしれません。

最初に持っていたご希望や目標もセッションが進むにつれて変わっていくかもしれません。
本当の希望はこれだったと気づくこともあるかもしれません。
これもセッションの一部だと思いますので、一緒に共有していけると良いことだと思います。

まず、ロルフィングを始めたいと思った気持ち・ご希望をロルファーとクライアントが良く話して、その上でセッションを進めていくことが大切だと思います。

変化の途中にある

姿勢・動きが変わる、痛みの改善、体質の改善は時間がかかります。
姿勢や動きはその方の表現・現れそのものです。
すぐに変わるものではないですし、変えてはいけません。
そうなっているには理由があって、クライアントご本人もそれを見つめて、ロルファーはそれを受け入れて認めつつ変化のチャレンジを一緒に行っていく必要があります。

慢性的な痛みや痺れ、体質などの問題は姿勢や動き、呼吸が大きく関係しているのでカラダが整っていくと自然と改善していきます。これが根本的に改善していくということです。

ロルファーはこの事を知っているので、急がず10シリーズの流れにそってセッションを進めて行きます。
しかし、このことを言葉で説明してもクライアントには伝わりきらない、確信が持てないのは当たり前だと思います。

私自身も上手く伝えられずにクライアントの気持ちを煩わしてしまうことがありました。

セッションを途中で中断させてしまったクライアント
「姿勢が悪いのが気になる」
「肩の高さが違うことが恥ずかしい」
ということでお悩みの改善にロルフィングをはじめられた方がいました。

都内で美容師をされている20代の女性でした。
頭が前に突き出しやすい、巻肩も気になるとのことでしたが、何より肩の高さの左右差が気になっていました。
仕事中に洋服がズレたり、偏ってしまうことが何より恥ずかしいので改善したいとのことでした。

セッション1~3を終えて、カラダは楽に、疲れにくくなりましたが肩の高さに左右差は残っていました。
カラダは良い方に向かっていても、一番の希望である肩の左右差の改善が期待していたよりも感じられず、そのことをストレスに感じて、ロルフィングのセッションを中断するということになってしまいました。

セッション3の後は一区切りになっているため、少し間を空けることが出来ます。
気持ちの整理がつくまで今後はどうするか考えたいとのご希望あり、ご連絡があるまで待っていました。

2か月ほどたった時に再びご連絡を頂いて、セッション前にお話を聞くと、セッション3までを終えてから仕事をしても疲れにくく元気になってきて、肩の高さも時間が経つにつれて改善してきたとのことでした。
セッションを進めて10回終了する時には、肩の高さの違いは目立たなくなり、そのことに悩むことも少なくなっていました。

10回シリーズを終えてご感想を頂くと、
「少しずつ変わっていくと言われても、その時は感じられず、実感も持てなかった」
「もう少し、フォローして頂きたかった」
「けれど、結果としてはこれで本当に良かった」
とのご感想を頂きました。

結果は良くても、途中不安にさせてしまったり、煩わせてしまいました。
これも一つの必要な事であったかもしれませんが、ロルファーとしては考えなければいけません。

ロルフィングはその時に姿勢が変わるようにセッションをする訳ではありません。
あくまで日常的に動いてもらう、重力の中で動くことでカラダが整っていくような施術をします。
どのタイミングでお悩みの改善が実感できるかは、人それぞれなのでロルファーもはっきりとは言えません。
テーマから外れて実感が持てるようなセッションをするとロルフィングではなくなってしまいます。

進め方としては「クライアントの症状にはフォーカスしない」ということでロルファーとしては正しいのですが、変化を感じられるムーブメントを取り入れたり、セッションによっては少しフォーカスできるタイミングもあるかもしれません。
クライアントが感じている事、思っていることをくみ取りながら、コミュニケーションを通じて取り組んでいくことは出来ます。
コミュニケーションの大切さを学んで、反省をしたセッションでした。

このように姿勢が変わってくるには時間がかかり、変化の途中にある場合もあります。
あるご希望を持ってロルフィングに望んでそれがすぐには得られなかったとしても、もしかしたらこれから変わってくるものかもしれません。
クライアントとロルファーがそのことについてコミュニケーションをとっていく必要があります。

ロルファーとの相性

ロルフィングの10回シリーズはテーマが決まっています。
基本的なアプローチ方法はしっかりと教育されますし、背景にあるコンセプトは細かくて洗練されています。
このためどのロルファーから受けても『ロルフィングの効果』は得られると思います。

ですが、人と人とが出会って、進めて行くセッションです。
同じ教育を受け、理念を同じくするロルファーでもそれぞれクライアントに与える影響は違います。

ロルファー自身であったり、性別や年齢、場所や部屋などの環境、その時に必要する人としても違うかもしれません。
会ってみないとわからないという部分もあるので、クライアントにとって選ぶのが難しいですが、まずは「ピンとくる」ロルファーを選んで頂けたらと思います。

セッションを始めて上手くいかなければ、セッションの内容ではなく、ロルファーとの相性かもしれません。
ロルフィングの10シリーズはテーマが決まっているので、途中でロルファーを変更しても引き継ぐことは可能です。
ロルファーは引き継ぐロルファーが分かれば、必要に応じてセッションの経過を伝えたりもします。

ロルフィング10シリーズのテーマは同じでも、ロルファーによって進め方が違うのも事実です。
⇒「ロルファーによる違い」へ
ロルファーとの相性も効果に影響することだと思います。

ロルフィングで全てが解決するわけではないので、「ロルフィングが効果が無い」場合もあると思います。
ですが時間もお金も、エネルギーを使うロルフィングの10シリーズを受けて頂いて、そのように思わせてしまうのは残念に思います。

ロルファーはよくお話を聞いて説明をして、経過をしっかり見守る事が大切ですし、クライアントは選択していく意志が必要になってきます。
協同作業をするように進めていければ、『ロルフィングは効果が無い』といご感想は減っていくのではないかと思います。