セッション7のテーマは「首・頭の解放」です。
これまで下からコツコツとバランスよく積みあがるようにカラダを整えてきました。
最後に首や頭を整えて、フワッと花が咲くようにしたい。
そんなセッションです。
緊張している首や頭
頭ってかなり重いのです。
成人では頭の重さは4~6kgもあります。
ボーリングの球が首の上に乗っかっているようなものです。
そりゃ、首や肩は凝りますよね。
でも幼いころは首コリ・肩こりなんてなかったと思います。
「そりゃ若いからでしょ~」なんて思うかもしれませんが、そうではないと思います。
なぜなら赤ちゃんの頃なんて体重の30%が頭の重さだったのです。
そして大きかった。
私達よりもっともっと首や肩への負担は大きかったはずです。
でも赤ちゃんは肩コリなんてないでしょう(おそらく)。
大人になるとどうしてこんなに肩や首が痛いのでしょう?
感じるセンサーが緊張してしまっている
私達の見たり、聞いたり、味わったりする感覚器官は頭に集まっています。
狭い範囲にギュッと凝縮されています。
脳に近い所にあった方が情報収集しやすいからなんて理由もあるのでしょう。
綺麗な景色を見たり、誰かと話したり、美味しいものを食べたりと・・・
私達の楽しみの多くに関わっている部分です。
リラックスして楽しい事ばかりなら良いのですが、大人になるにつれてそうはいきませんよね。
必死にノートやパソコンを見たり、先生の話を聞き洩らさないように集中したり。
一日中デスクワークで目は疲れて、首や肩はカチカチに。
後はスマホに集中したり、イヤホンで音楽を聴いたりすることも多くなっています。
現代社会では目や耳はとても緊張していて、疲れ切っています。
また気持ち的に緊張することも多いです。
人前で話すときに喉が詰まって声が出なかったり、忙しくてストレスを感じるとごはんが喉を通らなかったり。
私達はストレスを感じるとのどやアゴが緊張しやすくなるのです。
食いしばっていたり、「うーん」と喉を緊張させたりしています。
長時間目や耳を使っていたり、強くストレスを感じるとセンサーである感覚器官(目や耳、鼻など)が緊張します。
感じるセンサーが緊張するとカラダの動きもぎこちなく、重たいものとなります。
大自然の中で生きている野生動物のことを想像してみて下さい。
襲われる危険のある動物にとって、目と耳はとても大切な情報源です。
ただじっとしているだけではなく、気配を伺うにも首を動かします。
サッと逃げる時にも首と頭で方向を決めています。
首コリや肩コリなどは、目や耳の影響をはっきりと受けています。
私たち現代人は目や耳はいっぱい使うのに、それをカラダの動きと一緒に使うことがとても少なくなっています。
カラダの緊張を穏やかにして、目や耳などの緊張を落ち着けて、もう一度カラダの動きと感覚器の働きをマッチさせることが大切です。
全身のバランスをとる力の低下
赤ちゃんは生まれたばかりの時には頭を持ち上げられません。
左右にゴロゴロしたり、ほんの一瞬だけ持ち上げる所から始まります。
この時だってカラダを起こしたくって仕方がないのかもしれません。
でもそんな力もないので、出来ることからやっていきます。
そしてカラダの大きさや筋力、バランス感覚などが養われて満を持したかのようにスクッと立ちます。
(だからドヤ顔なのかもしれません)
こんな風に私達は頭の重さをどのようにコントロールするかを学んで、自由に歩くことが出来るようになりました。
頭はとても重くて、そして「脳」というとても大切なものが入っています。
「脳」を守るように転ばないようにバランスを取るということが一番大切な事なのです。
とにかく私たちは「転びたくない!」のです。
つまづいて転びそうな時にも頭を守るように自然と手が出てしまいます。
頭で考えているわけではなくて無意識に出るもの(「反射」と呼ばれています)なのです。
頭は首だけで支えているのではありません。
その下の背骨や骨盤、足などの全身で支えています。
一番上に乗っている重たいボーリングの球を上手く支えるためにカラダ全体を使っているのです。
カラダのどこかに不調があっても頭だけは守らないといけません。
膝が痛くなって踏ん張ると痛い時にだって、カラダは横に傾いたりしません。
どこか別の場所を緊張させたり、捻ったりして頭だけは同じ場所にあるように支えています。
このようにカラダを酷使していく中で、様々な緊張や捻じれが生まれてコリや痛みに繋がっていきます。
首や頭を開放するには
首や頭を緊張させている原因と思われることをいくつか挙げてきました。
でも緊張することが悪いわけではありません。
仕方ない部分もあるし、ストレスになる出来事を乗り切るために必要なことでもあります。
問題なのはその緊張が必要ない時にもリセットできなくなってしまう事です。
だから必要ない緊張をしないような生活を心がけることも大切です。
- 携帯を長時間見続けない
- 就寝1~2時間前は目を休める
- イヤホンの音量を下げる
- カラダの緊張をリセットする習慣をつける
- 全身運動する機会を作る
簡単にできる事から始めてみましょう。
こまめに目を休ませたり、温めてもリラックスできます。
運動は休日の日に赤ちゃんになったつもりで全身でゴロゴロしてみるものいいです。
とにかくいつもの緊張するパターンから抜けられることが大切です。
すると自然に首や肩、頭はスッキリ楽になっていきます。
ロルフィングではセッションを通して、自分が緊張している、させていることに気がつけるように進めています。
ストレスや目や耳などへの刺激は無くならないので、気がついてリセット出来る力を養っていきたいです。。
セッション7でやること
これまでのセッション1~6ではカラダの表面・深部を足元から安定するようにワークしてきました。
セッション7では残った頭や首がその下のカラダとピッタリとバランスがとれるようにワークしていきます。
頭が安定するように首や肩回りの深い筋肉・筋膜を緩めて、整えていきます。
そして目や耳の使い方を見直したり、鼻の奥を開放して頭の中にもスッキリとした空間が出来るようにワークします。
アゴや口の中の緊張を緩めてストレスのパターンからの開放を目指していきます。
鼻の奥や口の中のワークはとても新鮮です。
いつも狭くなっている部分にスペース(空間)があることに気がつくと思います。
空間を感じるといつも重たかった頭が軽く感じたり、呼吸も楽になります。
リフトアップや鼻すじが通るような美容的な効果も期待できるかもしれません。
セッション7で頭や首をカラダに上手く載せてあげたところで深層のセッションは終了です。
ここである程度カラダがまとまって安定してきます。
ここで一度休憩を入れて少し期間を長く開けることが出来ます。
セッション8からは動きを使ったり、感覚を刺激しながらダイナミックな動きの中でバランスを整えていくセッションになっていきます。